日野市「子ども包括支援センターみらいく」の開所式に、本学の学生と理事長らが出席しました(5/19)
日野市の子ども?家庭?地域の子育て機能の総合支援拠点としてオープンする「子ども包括支援センターみらいく」(以下、「みらいく」)の開所式が5月19日(日)に行われ、同施設のロゴおよびキャラクターデザインを担当した生活科学部生活環境学科の学生をはじめ、本学から木島葉子理事長、髙田典夫名誉教授、槙究副学長らが出席。学生は、「みらいく」のイメージキャラクターに採用された「ぺたぺたさん」を、自らの言葉で紹介しました。
日野市「子ども包括支援センターみらいく」開所式
「みらいく」の正式オープンに先駆けた開所式に学生らが出席

すべての子どもの健やかな成長を切れ目なく支援する、子ども?家庭?地域の子育て機能の総合支援拠点として、日野市が2022年度より建設を進めてきた「みらいく」。本学は日野市からの要請を受け、生活科学部生活環境学科の学生2名がアドバイザーである髙田典夫名誉教授のもと、施設のロゴおよびイメージキャラクターの制作を担当することに。生活科学部生活文化学科の教員や幼児保育専攻の学生も、「みらいく」に子育てひろばを設置するためのワークショップに参加するなど、日野市と連携した取り組みを行ってきました。2023年5月には、完成したロゴおよびキャラクターが日野市定例記者会見にて発表され、今年3月には、学生の健闘に対し日野市より感謝状が贈呈されています。
そして、5月27日(月)の正式オープンに先駆け、5月19日(日)に「みらいく」の開所式が行われました。本学からは、施設のロゴおよびイメージキャラクターの制作を担当した学生と卒業生のほか、木島葉子理事長、髙田典夫名誉教授、槙究副学長、生活科学部生活文化学科幼児保育専攻の井口眞美教授と大澤朋子准教授らが出席しました。
最初に式辞を述べた大坪冬彦日野市長は、「2024年の児童福祉法改正により、『子ども家庭センター』の設置が各自治体の努力義務化となるのに先駆け、日野市では2022年より『子ども包括支援センターみらいく』の建設を進めてきた。児童福祉と母子保健の一体的な提供ができる体制を構築し、子どもおよび子育て支援に積極的な投資をしていくことが、今を生きる子どもや保護者、次世代のため、さらには持続可能な街づくりのためになると考えた」とし、「みらいく」のロゴおよびイメージキャラクターの考案に尽力した学生と実践女子大学に対しては感謝の言葉を表しました。

熊澤修子ども家庭支援センター長からは施設の概要説明があり、続いて奥住匡人日野市議会議長、小田原潔衆議院議員らに加え、本学の木島葉子理事長が来賓の代表として祝辞を述べました。木島理事長は、「本学の学生が『みらいく』のロゴとイメージキャラクターをデザインし、日野市の広報誌の表紙には2人の写真を掲載いただいた。『みらいく』の建設中には本学の授業の一環として視察の機会を設けていただき、あらためて感謝申し上げる。日野市の皆さまのお役に立てるような施策に、さまざまな場面で協力させていただきたい」と、今後も日野市との連携を継続していくことを強調しました。
学生および卒業生がイメージキャラクター「ぺたぺたさん」を紹介

来賓祝辞、来賓紹介の後、「みらいく」のイメージキャラクターである「ぺたぺたさん」をデザインした生活科学部生活環境学科4年の浮田采希さんと生活科学部生活環境学科をこの春に卒業した石井美菜さんが、「ぺたぺたさん」のコンセプトやロゴデザインに込めた思いを説明しました。
まず、2022年11月のキックオフミーティングを皮切りに始動したロゴおよびイメージキャラクター制作の経緯に触れた2人は、「『ぺたぺたさん』という名前は夜道を歩く人間の後ろをつけてくる妖怪『べとべとさん』から着想したものであり、すべての人に寄り添い、共に歩むという意味を込めている」と話し、「color」「form」「two face」という「ぺたぺたさん」の3つの特徴を紹介しました。
さらに2人は、館銘板やWebサイトなどさまざまなものにロゴが使用されることを想定してデザインをブラッシュアップさせたことについて、「視認性の確保を重視した。ベタ塗りとドット、ストライプを貼り合わせたようなデザインに変化させ、包装紙にくるんだような形状で、中身を想像するワクワク感を演出した」と説明。「これからも『ぺたぺたさん』がさまざまな場面で皆さんの日常に溶け込んでくれたらうれしい。このような貴重な機会をくださった日野市役所の皆さま、私たちをご指導くださった髙田先生に御礼申し上げたい」と締めくくりました。
これを受け、ロゴおよびイメージキャラクター、建物のデザイン監修を務めた髙田名誉教授は、「デザインという正解のないものを言語化する作業を学生とともに行ってきた。つかみどころのない『ぺたぺたさん』は、これからの『みらいく』の可能性を表している。学生に貴重な経験の機会を与えてくださったことに御礼を申し上げたい」と感謝の意を述べました。
日野市出身の画家?蟹江杏氏も「ぺたぺたさん」に言及

開所式には、昨年に日野市が開催した「手をつなごう?こどもまつり」のライブペインティングイベントで、「みらいく」に飾られるイメージ絵画「朝陽を空に上げる少女たち」を166名の子どもたちと一緒に制作した日野市出身の画家?蟹江杏氏も出席しました。蟹江氏はこの作品について、「子どもたちが朝陽を自らの力で空高く上げる姿を描いた」と説明し、「実践女子大学の学生さんが描いてくれた『ぺたぺたさん』から発想を得た。日の出をイメージした今回の『朝陽を空に上げる少女たち』のほか、青空、夕焼けをイメージする2作と併せた全3部作として完成させる予定。『みらいく』が日野市民の皆さまの大切な場所、子どもたちの安全な居場所になることを心から願っている」と展望を語りました。
そして、大坪市長、木島理事長、奥住日野市議会議長、小田原潔衆議院議員らによるテープカットが行われ、めでたく閉式となりました。
「みらいく」の正式オープンは5月27日(月)で、施設内の中高生世代スペース、子育てひろばについては6月24日(月)にオープンしました。
学生がデザインした
みらいくのロゴ
学生がデザインした
壁面と自動ドア
学生および卒業生のコメント

ロゴおよびイメージキャラクターの制作に携わり、今回の開所式やプレゼンなど、さまざまな場面で自分たちの思いを言葉にしてきました。この経験を通して、聞き手の方を意識して話す姿勢が身についたと感じています。また、授業を通してデザインを学んできましたが、その成果が形になるという経験を学生の間に味わえたことを感慨深く思います。
ロゴやイメージキャラクターの制作に加え、「みらいく」の入り口の装飾デザインもお任せいただきました。このデザインに取り組んでいた当時は海外留学中で、さまざまな方々にサポートいただく形となりましたが、完成版を目にすることができて感無量です。
「ぺたぺたさん」が市民の方々に愛されるキャラクターとして成長することを願うとともに、この貴重な経験を今後の就職活動や社会人になってからの実務に生かしていきたいと考えています。(生活科学部生活環境学科4年 浮田 采希)

開所式でのスピーチはとにかく緊張しましたが、とても良い経験になりました。このプロジェクトに参加する前と後では、人前で話すスキルはもちろん、自分の考えを語ることに対するモチベーションなど、自分の中の心の持ち様が大きく変わりました。また、自分たちがデザインしたものが、施設の館銘板をはじめさまざまなものに使われていく過程を見られたことは、学生生活の貴重な思い出になりました。
現在は実践女子大学を卒業し、社会人として設計業務に従事しています。今回のプロジェクトで学んだ「デザインの向こう側にいる利用者の視点を考える」という姿勢を、仕事にも生かしていきたいです。そして、「ぺたぺたさん」というキャラクターが、子どもたちをはじめとする多くの市民の方々に広まってくれることを期待しています。(生活科学部生活環境学科2023年度卒業 石井 美菜)