【『大學新聞』第235号(最新老虎机-老虎机游戏@7年1月10日発行)掲載】現代社会学科(現:ビジネス社会学科)の学生が新商品!コンパクトな就活用ストッキング。バッグに忍ばせて。ホームカミングデーでも販売(11/30)
※2025年1月28日追記
『大學新聞』第235号(最新老虎机-老虎机游戏@7年1月10日発行)に掲載
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人間社会学部現代社会学科(※2024年度からビジネス社会学科に名称変更)3年の学生2人が考案した就活応援ストッキングが商品化され、最新老虎机-老虎机游戏@の9階売店で850足限定で販売が始まったことが、『大學新聞』第235号(最新老虎机-老虎机游戏@7年1月10日発行)の11面「キャリア」で紹介されました。
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2024年12月3日掲載
人間社会学部現代社会学科(※2024年度からビジネス社会学科に名称変更)3年の学生2人が考案した就活応援ストッキングが商品化され、最新老虎机-老虎机游戏@の9階売店で850足限定で販売が始まりました。穴が空いたり、伝線する恐れのあるストッキングを携帯用としてコンパクトにした女子大生ならではの商品。しかも国産品で価格や環境面にも配慮しています。ニーズ調査や協力企業探しに奔走する一方、150人以上の他の学生も巻き込み、効果的なPRの工夫も施した1品です。2人は「いざという時に役立つ商品。バッグに1個忍ばせておいて」と話しています。
学生考案のストッキングを手に
1年前から挑戦。就活やインターンシップを意識した2人。伝線の不安よぎる。

ストッキングの新商品を考案したのは、経営戦略や研究開発マネジメントを学ぶ篠﨑香織教授のゼミ生、杉山千紘さんと折田沙樹さん。探究心旺盛な正課外の活動を支援する実践チャレンジ奨励金に認定され、その資金を活用して企業から仕入れを行うなど本格的なビジネスに挑戦しました。
2人が動き出したのは約1年前。学生のアイデアを基にした大学グッズを作ろうという話があることを授業で知ったことがきっかけです。当時、2年生だった2人は、就職やインターンシップ活動をそろそろ意識していたころで、女性の足元のマナーとして就職活動でも履く機会の多いストッキングに着目しました。
就活のメインは、なんといっても企業の面接。役員がずらりと並び、緊張感が漂う。真新しいリクルートスーツに身を包み、失敗できない場面だ。そんな時、もし、足元のストッキングが伝線していたら???。課題解決の道筋を探すことができる仕事を希望する杉山さん、新しい価値を多くの人に提供する仕事を夢見る折田さん。2人には、そんな不安がよぎりました。そこで浮かんだのが、安心して就職活動ができる、お守りのようなストッキングの開発だったのです。
オンラインでマーケットリサーチを行い、商品コンセプト固める。

既存の商品は、3個セットなどまとめ売りが多く1個販売は少ない状況。また、見た目を良くしたり、素材をわかりやすく見せるために過剰な包装も多く、価格も学生にはやや高価な印象がありました。このため、2人は、「環境配慮」「できるだけ伝線しない」「安価」「かさばらないサイズ」を商品のコンセプトにして開発を進めようと考えました。
まず、同じ悩みを抱える女性がどの程度いるかを探るため、5月末から18日間、実践女子大の学生?職員にオンラインでのアンケート調査を実施し、156人から回答してもらいました。すると、7割が外出先で伝線した経験があるという答え。しかし、日頃携帯しているのはわずか約4%にすぎず、買い替えで対処しているようでした。さらに、「もっと小さなパッケージを」「安価で1足で買えるものを」などの記述による回答もあり、「マーケットリサーチ」によって、結果的に自分たちが考えた商品コンセプトが正しいことを裏付けることができました。
企業と直接交渉。850個限定。価格は300円に

次に、ウェブで検索するなどして複数のストッキングメーカーに電話やメールで問い合わせたところ、長年、パンティーストッキングの製造?販売卸をする奈良県の「福西メリヤス株式会社」が「学生の活動を応援したい」と快諾しました。同社の担当者が大学にも訪れ、ストッキングの色や素材の説明をしてくれ、直接交渉もしました。また、商品を陳列?販売する場所として、最新老虎机-老虎机游戏@9階の丸善雄松堂が運営する売店にも「商品を置いてください」とお願いしました。
昨年冬から準備を進めながら、7月には実践チャレンジ奨励金に申請し、8月に交付が決定して資金の目処が立ったことから、具体的なスケジュール調整などに着手しました。
ポイントは奨励金の範囲内の資金で、ストッキングの製作代、商品を入れる袋代、紙代や印刷代を含むパッケージ代、送料、交通費などの製作にかかる経費を考慮し、原価計算することでした。ここは、会計学が専門の蒋飛鴻教授のゼミの4年生に依頼して、仕入れ値や個数を考慮し損益分岐点を出すなどして価格をどうするか検討に協力してもらいました。最終的には、販売個数を850個とし、1個の価格を300円(税込み)に決め、福西メリヤス株式会社と正式な契約を交わし、11月に販売をする目標を立てました。
10センチ×9センチのサイズ、最小パッケージに。

仕入れ価格を抑えるため、パッケージ(袋)は自分たちで購入し、中に入れるデザイン紙約900枚は、桜や青空、ヒマワリをイメージした配色にして8種類をデザインしてコンビニエンスストアで印刷。それらを一旦、福西メリヤス株式会社に郵送して、同社が袋詰めし、出来上がった商品を送ってもらいました。最終的に商品は、スーパーやドラッグストアで市販されているものに比べ、より小さい約10センチ×9センチとなり、バッグやポーチに入れてもかさばらない大きさになりました。

実はデザインが印刷された紙の裏には仕掛けも施しました。同じゼミの仲間らにアイデアを募集し、推しの曲や手紙として再利用など複数のアイデアが出た結果、女子大生が詠んだ五七五を紙の裏面に掲載することにしました。五七五は今時の女子大生の本音がつづられたおもしろ五七五で、約20首もあり、「また、買いたい」と思わせるものになっています。さらに、マーケティングが専門の井上綾野准教授が担当する「広告?PR論」の履修者に協力してもらい、9グループに分かれて売店等で使用するためのPOPを作製してもらいました。また、1年生の必須授業で約150名の履修者がいる「経営学概論(篠﨑香織教授の担当:ABCDEFクラス)」では、商品の認知を広げる手段として“縦読み”を取り上げ、「850足限定!」という題で、実際に履修者に考えてもらいました。2人は「授業で学んだ経営の知識を生かしてビジネスに挑戦ができました。今回のような学生のアイデアが商品化できる仕組みが今後も続けていけるようになればいいと思います」と話しています。
福西メリヤス株式会社の福西慶之総務部長「お手伝いができて良かった」
今回、実践女子大学の学生たちと共同プロジェクトに参画できて本当に良かったと思います。当初はストッキングとは何か?から始まったのですが、私共としましても学生たちの様な若い人たちにストッキング等について深く知っていただける良いきっかけになったと思っております。本プロジェクトに関わった学生たちとどのようにすれば商品を目にして手に取っていただけるかやどんな商品が魅力を感じるか等を一緒に考えてまいりました。
弊社は創業70年以上経ちますが、商品としては主に百貨店向けなどの嗜好品としての要素があり、年々需要量として減っていく一方でした。特に若い世代にはそもそもストッキングを知らない人も多く、履く機会すら無い状態です。そこで本プロジェクトで学生が考えて商品化するという、若い子ならではの「アイデア」と「発想」に基づいた商品なら同世代には響くと感じました。手作り感やアットホーム的なやり方。こうした新しい価値観を取り入れたものに対しては、応援したいという気持ちがわいてくると思いますし、ストッキングの良さをどんどん伝えたいという、学生の気持ちに感銘を受け、いい機会と思い、今回の企画のお手伝いをしましたが、本当にかかわって良かったです。
杉山千紘さん「関わってくれた人の気持ちを大切にしたい」
最初は「挑戦」という気持ちでした。まずはやってみようと。しかし、商品が形になってきた時、大勢の人が関わってできた企画だと実感しました。自分のためだけでなく、「関わった人のために」というところを大事にしようという思いに変わりました。企業の方との交渉は初めてのことなので最初は緊張しました。学生だから、失敗しても軌道修正できるところにいると思うので、できるところまでやろうという気持ちでした。ものを売ることは一人ではできないということは頭ではわかっていましたが、今回、それを実感できたことは良かったと思います。
折田沙樹さん「ゼロからのスタート。難しさや面白さ学ぶ機会に」
価格設定は、市販のものが思ったより高かったので、学生が気軽に買える値段に設定しました。杉山さん、篠﨑先生ら一緒に考えてくれる人がいたから続けることができたのかなぁと思います。包装紙に商品に込めた自分たちの思いをメッセージとして考えたり、パッケージのデザインを考えたりするのが大変でした。ゼロから新しいものを企画して作っていくことの難しさや面白さを大学生のうちに学ぶことができたのは、貴重な経験でした。新しいことに挑戦する時、受け入れる人とどうなんだろうと思う人がいるのでそこを突破していくことも学ぶことができて良かったと思います。
篠﨑香織教授「リアルなビジネスを実践できるのは、本学の魅力」
今回のプロジェクトは2人のやりたい、という思いから始まりました。最初はどこから手をつけて良いかわからないような状態でした。頭の中にある漠然とした困りごとが、ここまで整理されて広がったことは本当にすごいこと。学生の気概さえあれば実物化したり、商品として売ることもできるのです。大学では座学が多い中、現代社会学科(現:ビジネス社会学科)では、学んだことを生かして、今回のようにアイデアを形にして新しい商品を作り、リアルなビジネスを体感できます。そこには、売れる売れないということは出てくると思います。売れないなら置き方を変えてみようというアイデアなども生まれます。失敗も含めてできるのは大学だからで、学内で実践できるのは本学の魅力です。
福西メリヤス株式会社福西慶之総務部長が急遽、ホームカミングデーの販売に応援で来校!(右2番目)篠崎教授も応援で駆け付け(左2番目)