Space Design Labo, JISSENUniv.
2024年度卒業研究 空間デザイン研究室 早川真帆
現在、高架下には「暗い?怖い?じめじめする」といったネガティブなイメージが定着しており、公共性が高く、長大な空間を持つにも関わらず有効的に開発されている場所はまだまだ少ない。日野市の高架下も同様に、現在は資材置場や公園が存在するが遊具も少なく、少人数の使用者しかみられない。高架下の薄暗くじめじめした雰囲気に伴い、周辺住宅も閑散としており安全性も低く感じる。
日野市が取り組んでいる、スポーツの推進活動を踏まえ、高架下をスポーツを中心とした地域創生の拠点として利用することで、新たな活用方法の可能性を示したい。既存の体育館や施設とは違い、明確に目的のある人や普段からスポーツをする人が訪れるだけでなく、スポーツをしない人や閉鎖的な体育館に対して抵抗のある人、近隣住民の誰もが気軽に訪れ、体験できる場所とする。高架下での活動を通して人が集まり交流が始まり、地域に賑わいを生みだす。
敷地:日野駅から徒歩10分程で着く高速道路の高架下
対象者:普段スポーツと縁のない人やアマチュア選手などあらゆる人
対象敷地の現状:高架下沿いには住宅、2?3階建ての集合住宅、駐車場が存在する。周辺には小学校、保険センターなどの公共施設がある。西側には対象地より+25mの高地が存在し、高架や周辺地域を一望できる。
スカイパーク…高架下で空中に浮遊する公園をイメージ。運動しながら様々なレベル差や角度から生まれる視覚の変化を楽しみ、自分の遊び場や居場所を見つけたり、新たな出会いを生み出す。こどもの感性を育むしかけを施し、スポーツマンシップについて学ぶことができる場所である。近隣住宅で過ごす人たちのアイレベルに合わせ、様々な角度で変化をつけ競技に取り組む人たちの様子が伝わるようにした。周辺に暮らす人たちは自宅からでも観客になった気分で高架下を行き交う人を眺めることができる。天井や床裏を見上げると空を感じられる仕様としている。
機能
?主な競技コート…バスケットボール、バレーボール、バドミントン、パドルテニス、ボルダリング、武道館、トレーニング、アスレチック、インクルーシブ遊具、屋外公演用ステージ、プール、スケートボードボーリング、アーチェリー、卓球、シミュレーションルーム(サッカー、野球、ゴルフ、スノーボード、ブラッシュボーディングetc.)
?大人の遊び場コーナー…ビリヤード、サウナ、リラックスコーナー
?子どもや障がい者向けコーナー…アスレチック、インクルーシブ遊具、遊び場づくりの工房
?その他付随施設…カフェ、市民向け厨房、カラオケ、ギャラリー、ライブラリ、更衣室、トイレ、用品店、ドッグラン、トレーニングルーム
?ギャラリー?ライブラリ…スポーツや健康に関連する本を読んだり、様々なアスリート選手について知ることができる。主に高架下を横断する通り道周辺やコート周辺に配置しており、公園にふらっと寄るような感覚で気軽に訪れたり、競技に取り組む人たちを観察しながら体験できる。
?遊び場づくりの工房…子どもが様々な競技やアスレチックでの刺激を受けながら、工作やものづくりで、独自の遊び方を見つけることができるコーナー。
?市民向け厨房コーナー…料理教室を通して健康的な食事について学び、コミュニケーションを図る。
(図1)対象敷地
2003-2025, Space Design Laboratory, JISSEN Univ.
Status:2025-02-16更新