愛国婦人会は、明治34(1901)年、奥村五百子(いおこ)の呼びかけにより、政府高官とその夫人などが発起人となり、明治33(1900)年の「北清事変」の戦死者の遺族への援助を目的に設立されました。会の趣意書を起草したのが下田歌子です。名誉会員に皇族を迎え、各県に支部を設けたほか、朝鮮本部、台湾支部も設置されました。
下田歌子は、創立当初より評議員を務め、大正9(1920)年、67歳のときに第5代会長に就任します。就任後は会の趣旨を広めるため、大正10(1921)年より全国で講演会を開催します。8月には、北海道および樺太、10月には京城(ソウル)、奉天、大連にも足をのばし、講演は30数回を数えました。翌年には、関東、九州地区を中心に講演50回に及び、昭和元(1926)年末には、会員数が39万余名も増加しました。また婦人職業相談所(紹介所)、授産所の開設(仕事の斡旋)、夜間女学校の開設、大正12(1923)年の関東大震災後には、罹災者救済の恒久施設を被害の甚だしかった本所に開設しました。この「隣保館」には、婦人宿泊施設、職業紹介所、託児所、児童図書館などが設置されていました。関東大震災では、衣類?夜具の不足を補うため、市民に配布した衣類だけでも200万点に達したといわれ、実践女学校の生徒もこの衣服作製に協力しました。
本展では下田が晩年まで力を注いだ社会事業と女子教育について紹介します。
会 期 :2025年4月1日(火)~4月25日(金)
開館時間:10:30~17:00
休 館 日 :土?日曜日
入 館 料 :無料
会 場 :実践女子大学香雪記念資料館 企画展示室1?2
主 催 :実践女子大学香雪記念資料館
後 援 :渋谷区教育委員会