食品分析学実験(食物科学専攻2年生)
食生活科学科助手C.Y
朝晩は冷たい風が吹く季節となりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
最近は風邪やインフルエンザが流行しているため、体調管理には十分お気をつけください。
今回は、食物科学専攻2年の「食品分析学実験」についてご紹介します。
食品は様々な物質で構成されており、それらの物質が有する機能性は食品に特徴を与えています。この実験では、食品に含まれる各成分の分析方法を学ぶことに加え、食品の三次機能(生体調節機能)に関わる含有成分の取り扱いについて、学びます。1回の授業で完結せず、全授業を通して結果を出すため少し珍しい授業かもしれません。
第5回目の授業は、液体試料抽出液の濃縮を行いました。
液体試料とはお茶や醤油、ジュース等の普段私たちが口にしている液体の食品です。
今回は、各班が抗菌?抗酸化活性に興味のある液体食品を選び、その成分について分析してみようという内容でした。
まず、第4回目に準備しておいた液体試料の抽出液を濾過した後、エバポレーターという機械を使って濃縮します。こちらは「りんご酢」を選んだ班の抽出液で、酢酸エチルという溶媒に溶け込んだ物質が得られます。
エバポレーターは、試料を減圧(真空に近い状態)にすることで沸点を下げ、溶媒だけを低い温度で素早く蒸発させる装置です。
蒸発した溶媒は冷やしたガラス部にくっついて液体に戻り、隣のフラスコに集まります。
水滴で少し見えにくいですが、たくさんあった液体があっという間にカラカラになりました!
次に、空の重さを測定した三角フラスコに濃縮した液体試料を溶解して移し、再び機械を使って濃縮します。最終的にカラカラになった三角フラスコの重さから、先に測った空の三角フラスコの重さを引くことで、どれくらいの量の試料が得られたのかを求めます。
今後の授業では今まで準備してきた試料を使って、抗菌活性?抗酸化活性を実際に測定していきます。
抗酸化活性とは物質が酸化するのを防ぐこと、すなわち体内で抗酸化成分が作用すると老化を抑える可能性があります。
また、抗菌活性とは微生物や食中毒菌などの増殖をどのくらい抑えられるかを示します。
次回の実験でどのくらいの抗菌?抗酸化活性が見られるのか、とても楽しみです!
皆さんはどんな食品を調べてみたいですか?大学では様々な実験を通して深く学ぶことができます。興味のある食品があれば、ぜひ実験に挑戦してみてください?







