文学部 英文学科 教授
深瀬 有希子(ふかせ ゆきこ)
FUKASE Yukiko
専門分野?専攻 | 現代アメリカ文学文化。おもに、アフリカ系アメリカ文学文化を対象に、人種、民族、ジェンダー、階級などの交差(インターセクショナリティ)の表象を考察する。 |
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最近の研究テーマ等
ここ数年は、ニューヨークのマンハッタン北部に位置するハーレム地区というアフリカ系アメリカ人の「メッカ」(精神的なよりどころ、諸活動の中心地)にて、1920年代から1930年代にかけて繰り広げられた多彩な文化社会運動ー「ハーレム?ルネサンス」ーについて研究してきました。この時代は、第一次世界大戦終結後の好景気のなかで享楽的な都市文化が発展し、娯楽がビジネスとして確立し始めたという背景から、アメリカ文化史において重要な時代とされています。いわゆる白人男性作家?芸術家によって主導されたモダニズムという文化運動は、分野のみならず地域を横断する展開にその特色がありました。主にアフリカ系の人々によって花開いた「ハーレム?ルネサンス」もまた、多岐にわたる学術領域と国境を越えた移動をその背景としていました。共編著『ハーレム?ルネサンス—<ニュー?ニグロ>の文化社会批評』(明石書店、2021年)は、英国をふくむヨーロッパやカリブ海地域、フランス語圏、アフリカを含む広範囲の言語文化圏、多様な学問分野(文学、絵画、映画、音楽、演劇、宗教、スポーツなど)の考察を、他分野の多くの先生方との数年間におよぶ学問的対話のすえにまとめたものです。
主な担当授業と概要
アメリカの文化と社会—「実験国家」にみるアイデンティティの構築
本授業では、アメリカ合衆国の文化社会について、複数の視点から総合的な理解を深めることを目標としています。広大な領土と多様な民族を抱えてきたアメリカ合衆国の、複雑かつユニークな歴史的背景から現代の文化や社会状況までをも含む幅広い話題を学習することで、異文化理解力を高めるとともに、「他者」との共存のありかたを検討する態度も身につけることを目指しています。
アメリカ文学?文化演習d—ハーレム?ルネサンス(1920年代の黒人文化社会運動)
本授業では、いまより100年前の1920年代ニューヨークおよびパリを中心に環大西洋的に発展した多彩な芸術活動—「ハーレム?ルネサンス」—を、様々な対象を通じて立体的に理解することを目指しています。具体的には、絵画、小説、音楽、映画、宗教、スポーツといった広範囲の対象をとりあげ、それに領域横断的アプローチで向き合うことにより、アフリカ系アメリカ人の表象の問題や、同時代における人種?民族的自己意識の成型についての理解を深めることを目的としています。
趣味?特技
好きな場所は空港や書店、川の流れる場所です。本棚をぼんやりと整理したり、ジョギングする時間が好きです。
受験生へのメッセージ
本棚は人生です。あるいは、人生は本棚ともいえるかもしれません。ゆっくりと楽しみながら、貴方らしい本棚を作り上げていきましょう。