本学は日野市内で、明星大学(東京都日野市、学長:冨樫 伸)と合同の就職支援イベントを開催いたしました。両大学が就活イベントでコラボするのは初めて。共学の大学と女子大学の特色を生かしたネットワークを活用し、企業選択の幅を広げることが狙いで、本学の高水準の就職率を支える施策の1つです。両大学の担当者は「イベントを機に学生の就活に対する視野が広がり、企業面接で行われるグループディスカッションに慣れてもらえれば」と話しています。
対面で行われた個別の企業ごとの説明会
初のコラボレーションが実現
JR豊田駅前のショッピングセンター「イオンモール多摩平の森」で2月3日に行われたイベントには、明星大33人、実践女子大23人の計56人の学生が参加しました。就職活動が早まる中、今回のイベントは3年生ばかりでなく、2年生も参加しています。前半はグループディスカッション(集団討論)の対策講座、後半は合同企業説明会の2部構成で、企業は、多摩地区に本社や営業所を構える企業を中心に19社が参加しました。
実践的な練習が行われたグループディスカッション対策講座

1部は、多摩市内のメンテナンス会社の 採用担当者の方によるグループディスカッション対策講座です。この人事担当者はこれまで1万人近くの採用に携わった経験を持つというベテラン。最初に出されたテーマは「優秀な社会人とは」。参加学生は数人ずつのグループに分かれ、このテーマに沿って20分間、議論しました。指名された数組が、グループで話し合った結果をプレゼン。この後、担当者は、議論の効果的な進行のためのポイントを、時に熱い口調も交えてアドバイスしました。この後、最初のテーマとはまったく異なる「2024年配送ドライバー問題の対策とは」という課題で議論するよう促しました。学生はアドバイスを参考に積極的に意見を出し合い、議論を深めました。グループディスカッションは、より本番に近い形での実施です。初対面ということもあり、最初は学生の間でぎこちない空気が流れていたようでしたが、時間が経過するにつれて、意見が飛び交い、活発な議論となった印象です。

また、対策講座の中には「企業側は就活生のどこを見ているのか」や「なぜ実施されるのか」など、ここでしか聞けない、貴重な情報が盛りだくさん。学生が、うなずきながら熱心にメモを取る様子も見られました。 講座を終えた担当者は取材に対し、「目的を持って行動すること。就活は10、15年後の自分の姿を見据えることが大切です」と話していました。
19の企業?市役所、警察が参加

2部は、多摩地区に本社や営業所を構える企業をはじめ、地方公共団体や警察庁も参加して、合同企業説明会が行われました。業種は、総合スーパー、建設、製パン、調剤、IT、介護など多種多様です。1社1分間のPRタイムでは「公務員はお堅いイメージがあるが、服装も自由になり、働き方も柔軟になってきている」、「福利厚生が充実している」、「残業は少なく、ワークライフバランスがとれている」、「離職率は2%と低く、賞与は8カ月分」など、売り手市場を反映して福利厚生や給与の高さなどをアピールして人材を確保しようとする企業が印象的でした。学生は、気になった各企業のブースを訪れ、説明を受けました。距離が近いため、学生は気軽に質問したり、社員の方から就活のアドバイスを受けたりするなど、限られた時間を有意義に過ごしていました。
本学の卒業生にインタビュー

参加企業の中には卒業生も参加!。介護サービスの「ミモザ株式会社」(本社?東京都品川区)の担当者は、実践OGの安藤ひろみさん。現在、採用一課の課長をしており、本学の就職支援についてお聞きしました。安藤さんは、学生時代を振り返り、「キャリアセンターによく足を運んでいました。求人票を見たり職員さんと話したりすることで、気軽に就活を進めることができました。また、(日野キャンパスにある)香雪記念館大教室で行われる、就活イベントやグループディスカッション対策講座にも、積極的に参加しました」と話していました。
多摩地域の共通の課題を解消したいという思いを持った人たちが集まった産学官連携のイベント

一方、イベントを主催した明星大学就職センター主任 森田剛さんは「両大学が持っているネットワークを活用した合同企業説明会を開催することで、新たな企業群との出会いを学生に提供できます。今回のイベントで、就職活動における選択の幅を広げることができたらと思います」と期待。さらに、「広い意味で言えば、少子化による人出不足や採用難という多摩地域の共通の課題を解消したいという思いを持った人たちが集まった産学官連携のイベントです」と意義を訴えました。また、本学キャリアサポート部の佐野友希さんは「共学と女子大では進路が違います。一緒にやることで、今まで興味がなかった企業でも、面白いとなり、新しい発見につながります。多摩地区には優良な企業がたくさんあることを知る機会にもなります」と話していました。
本学キャリアサポート部によると、日野キャンパスの学生は、家政系の学部があるため、資格を生かした職種や共学の大学に比べて、事務職を希望する学生が多い傾向にあります。今回、参加企業の中には、公務員(市役所?警視庁)やメーカー、総合職や技術職など、さまざまな業種?職種が集まっています。他大学と連携したイベントに参加することで、自身の視野を広げる良い機会になります。
取材を通じて一言

はじめまして。国文学科4年の茂木有芽です。他大学と連携した合同就職活動イベントは「新しい気づき」を得ることができ、非常に魅力的でした。本学は、定期的に複数の大学と連携して就活イベントを行っており、学生記者として実際に取材で現場を見ることで、大学内外で就活支援が充実していることがよりわかりました。

低学年からのキャリア教育、定期的に開催される就職イベント、面接練習?エントリーシート添削など、熱心にご指導くださるキャリアサポート部の職員の方々。私は4月から社会人になりますが、これらの支援があったおかげで、無事に希望の企業に内定をいただくことができました。活用しないのは非常にもったいない! 是非、積極的に活用することをお勧めします。