高校生がSDGsカードゲームを体験しました!京都市立日吉ヶ丘高校と高大連携フォーラムで交流(3/29)
高校生がカードゲームを通じてSDGsの理解を深める「高校生フォーラム2022」が3月29日(火)、最新老虎机-老虎机游戏@で行なわれました。「実践ウェルビーイング(JWP)プロジェクト」の一環として行われ、実践女子学園高校と京都市立日吉ヶ丘高校の生徒らが高大連携イベントに参加。生徒たちは、企業や学校、自治体などで導入が進むSDGsカードゲームを肌で体験しました。
フォーラムに参加した仲間とともに
12チームがゲームに挑戦

SDGsカードゲームは、SDGsの17目標の達成に向け、現在から2030年までの道のりをシミュレーションするゲームです。本学園高校と日吉ヶ丘高校の生徒たちは、1グループ3~4人の混成チームを結成。12チームが、ゲームを通してSDGs17目標の目指す持続可能な世界の実現を疑似体験しました。
ちなみに、日吉ヶ丘高校と本学園は、それぞれ「東京フィールドワーク」、「高大連携フォーラム」の一環としてイベントに参加しました。大学生の参加者は、JWPプロジェクトのメンバー有志です。同プロジェクトでSDGsカードゲームを体験するのは、2021年12月14日の大学生を対象とした開催に続き2回目。講師は前回に続き、KPMGあずさサステナビリティ株式会社の鈴木ももこさんが務めました。
カードゲームは、午後2時半スタート。前半と後半各15分の2クールに分け、12チームがそれぞれ「プロジェクト」と呼ばれるカードの実行を通じて目標達成に挑みました。
プロジェクト実行で「世界の状況」も変化

ゲームで用意された目標は、「大いなる富」「悠々自適」「貧困撲滅」「環境保護」「人間賛歌」の5種類。具体的には、お金が一番という「大いなる富」のゲームオーバーには、お金1200を集めることが必要。また、時間がたっぷりある「悠々自適」は、ゲーム終了時に時間15を保持していなければなりません。
また、プロジェクトの実行に必要なお金や時間は、あらかじめ決められており、例えば、プロジェクト「交通インフラの整備」の実行には、お金500、時間3が必要。そして、実行により、お金1000と時間1の対価を獲得できるとともに、次のプロジェクトカードがもらえます。こうしたプロジェクトの実行を12チームがそれぞれ繰り返し、前半15分間のトライで、4目標達成に成功しました。
ただ、チームや個人がいくら目標を達成できても、ゲーム世界全体の状況が必ずしも好転しないのが、このゲームの難しさ。そのメルクマールとなるのが、事務局に設置されたホワイトボード「世界の状況メーター」です。ホワイトボード上の青色、緑色、黄色の三色のマグネット数が、ゲーム世界の「経済」「環境」「社会」の3つのパラメータを表しており、プロジェクトの実行に応じて刻一刻と変化します。
「自分本位」から「全体最適」へ

前半は、各チームが他のプロジェクトや世界全体の状況メーターをさほど意識しなかったからでしょうか。「世界の状況メーター」の状況メーターは、「経済」は開始時から9ポイント、「社会」は2ポイントそれぞれ好転したものの、「環境」は2ポイント悪化してしまいました。
このため、各チームは後半になると、「自分本位」から「全体最適」に戦略を転換します。実際、チームによっては中間発表で「前半はゴール目標、後半はメーター重視。状況メーターを見て行動が変わった」「前半はお金集め。後半は広い目で見ることができた」などの戦略転換が行われたほか、交渉や共同プロジェクトを通じて他チームと共同歩調を強める動きがみられました。生徒たちは「みんなで世界を良くしていこうという気持ちがあった」などと後半を振り返えっています。
目標と世界の状況と「バランスよく達成」から「全体最適」へ

この結果、前後半を通して全チームが目標を達成。世界の状況メーターも「経済」が8ポイント、「環境」と「社会」が7ポイントそれぞれ開始時を上回りました。
12月に行った大学生のゲーム挑戦は、8チームのうち7チームが目標を達成。また世界の状況メーターも「経済」「環境」「社会」のすべてで開始時から好転しました。大学生、高校生ともにゲームでファシリテーターを務めた鈴木氏は、大学生の時と比べても遜色ない結果に「こんなにバランスよく達成されたのは珍しい」「拍手で2030年を迎えられそうですね」などと感想を語りました。
交流も5年目に

日吉ヶ丘高校と本学園の交流は5年目となります。今回は同高校の1~2年生15人が「東京フィールドワーク」として、教師3人に引率されて来校。本学園高校1~2年生13人と交流を深めました。
JWPプロジェクトは、サステナブル(持続可能)な社会の実現を目指すSDGsと、その先にあるポストSDGs「ウェルビーイング」を探るプロジェクトとして2021年9月に発足しました。指導教授は文学部国文学科の深澤晶久教授(キャリア教育担当)です。今回の高校生フォーラムは同プロジェクトの4回目のイベント。プロジェクトメンバー25人のうち、2~3年生25人が、今回の高校生フォーラムでアシクタント役やサポート役を務めました。

深澤晶久教授の話
京都市立日吉ケ丘高等学校の「東京フィールドワーク」、実践女子学園高等学校の「高大連携プログラム」そして、実践女子大学の「JWP(実践ウェルビーイングプロジェクト)」と、それぞれの狙いを融合させて出来上がった、今回のワークショップは、大変意義深いものとなりました。
ファシリテーターの鈴木さんの見事な進行もあり、和気あいあいとした雰囲気の中にも、真剣にSDGsを学ぼうとする高校生、大学生の姿があり、活気に満ちたひとときとなりました。
これからの社会を支える若い世代に向けて、持続可能な世の中に向けた、最大限の努力を行ってバトンタッチすることが、我々教員をはじめ、大人たちの役割であると、改めて感じました。参加いただいた皆さん、ファシリテーターを務めて下さった鈴木さん、関係各位に心から感謝いたします。