2024年度「Jissen Student’s Reflection Award」最終選考会?表彰式を開催しました(12/7)
学長らを前に学生が日ごろの活動をプレゼンテーションする「Jissen Student’s Reflection Award(以下、JSRA)」の最終選考会が12月7日(土)、最新老虎机-老虎机游戏@で開かれ、一次審査をパスした10人がさまざまな成長体験を披露しました。学生のリフレクションの習慣化と言語化を支援する取り組みとして、2022年度から始まった奨学金制度。今回は日本最大級の教育イベントの運営にかかわった人間社会学部現代社会学科2年の丸山和音さんが最優秀賞に輝き、「最優秀賞をいただけたのは大変ありがたい」と喜びをかみしめていました。
学長ら審査員とカメラに収まる学生たち
リフレクションと言語化で自身の成長を見つめ直す「JSRA」
本学では、入学前から卒業後まで、学生が自信を持ち、成長を実感できる学びの時間を提供することを目標とした学生支援システム「J-TAS(Jissen Total Advanced Support)」を2019年4月から導入しています。このJ-TAS体制の構築と共に始まった本学のキャリア形成支援改革は、現在第二期に突入。アクション総量の増加を目指す方針のもと、低学年からのキャリア支援も強化しており、その成果は高い実就職率に表れています。この流れを受け、学生のリフレクションの習慣化と言語化を支援し、学生に自己成長を実感する機会を提供する取り組みとして、2022年度から大学および短大の2年生を対象に始まった奨学金制度がJSRAです。

最終選考会および表彰式当日は、エントリーした41人の中から一次審査を通過した学生10人と審査委員5人(難波雅紀学長、槙究副学長、広井多鶴子副学長、上原信幸学生総合支援センター副センター長、外部有識者としてサイボウズ株式会社執行役員の林忠正氏)が最新老虎机-老虎机游戏@に集まりました。冒頭、難波学長は「学生生活を振り返って自身の成長を言語化し、それをより強く実感してもらうのがJSRAの狙い。評価のポイントは経験の大小ではなく、あくまでも言語化する力。些細なことでも自分が工夫して意識的に取り組んだことを言葉にできているかを評価する」と強調しました。
続いて、最終選考に残った学生がこれまでの授業や課外活動などを振り返り、自身の成長体験を1人5分の持ち時間で発表。審査委員のほか、発表を終えた学生たちも他の学生の発表に対し、「分かりやすく説明できているか」「資料は見やすく、理解しやすいか」「気付きや学びに深みがあり、成長を感じられる内容か」という3項目について1から10までの10段階で評価しました。この結果、最も合計点の高かった丸山さんが最優秀賞、審査委員の評価が高かった人間社会学部人間社会学科2年の田中こころさんが審査員特別賞に選ばれ、2人には表彰式で難波学長から表彰状が手渡されました。
丸山さんと田中さんをはじめ、一次審査を通過した学生には、今後の活動を支援するための奨学金が支給されます。
最優秀賞の賞状を手にする丸山さん
審査員特別賞の賞状を受け取る田中さん
【最優秀賞】教育フォーラムで飾らないリーダーを務め、親しみやすさを

最優秀賞を獲得した丸山さんは「教育で未来をつくる」を理念に掲げて活動するNPO法人ROJE(特定非営利活動法人日本教育再興連盟)の学生メンバーとして、「五月祭教育フォーラム2024」の運営に参加した経験について発表しました。
「五月祭教育フォーラム」は、東京大学の五月祭内で開催される日本最大級の教育イベントです。その時々に即した教育の課題をテーマに、多くの人たちと教育について考えることを目的に2006年から毎年開催されています。2024年度は「再考?総合型選抜 ~評価されるべき『学力』に迫る~」と題して、総合型選抜の在り方について議論を繰り広げました。丸山さんは、このイベントの運営に当たり広報班と取材班のリーダーを務め、会計?協賛班にもメンバーとして参加。広報班は、フォーラムの存在を幅広い層に伝えることを目標に「学生の顔が見える広報」「登壇者の声を聴ける広報」を心掛けたといいます。
具体的には、ネットの投稿プラットフォーム「note」やX(旧Twitter)といったSNS(ネット交流サービス)の投稿の充実や、イベント特設サイトの開設など、戦略的な広報計画を立案?実施。その結果、Webサイトの記事の閲覧は1,500ページビュー(閲覧回数)を超え、Xの投稿は3.8万インプレッション(表示回数)を記録、X経由でのフォーラム申込者数を増やすことに成功しました。「最初に測定可能な目標を設定することの大切さを学んだ」と、丸山さんはその成果を振り返りました。
また、リーダーという立場で「メンバーへのタスクの振り分けや進捗確認にも気を配った」ということです。「飾らないリーダーシップ」を心がけてメンバーとのコミュニケーションを図り、親しみやすいリーダー像を目指したと話し、「今回の活動から得たことを、今後は学内の活動にも生かしていきたい」とプレゼンを締めくくりました。
J-STAFF、海外インターンシップ、学友会活動‥‥発表さまざま

一方、審査員特別賞を受賞した田中さんは、高校生や在学生のサポートを行う「J-STAFF」の一員としてオープンキャンパスに参加し、個別ブースで来場した受験生の質問や悩みに答える「おしゃべりコーナー」を担当した経験を語りました。自分が受験生の時に使っていた教材を持参したり、“大学生と受験生”ではなく、何でも話せる友達のような関係づくりを目指して笑顔や相づち、手振りなどを会話の中に取り入れたりし、全力で受験生に寄り添おうとした田中さん。相手の立場に立って物事を考えることの大切さを学び、自分の強みは親和性にあることに気付いたと語りました。

また、最優秀賞、審査員特別賞を受賞した2人以外も、それぞれ印象的なプレゼンを行いました。カンボジアで食ビジネスを学ぶ海外インターンシップや、学友会執行委員会、スチューデント?アシスタント(SA)としての活動、企業参加型の課題解決プログラム「J-mission」での取り組み(渋谷区のポイ捨てをなくすための啓発動画作成、ロックバンド“ヤングスキニー”のオフィシャルグッズの企画?提案)など発表の内容は多岐にわたり、学生たちは経験を言語化して人に伝える行為を通して、自身の成長を再確認しました。
本学では、学生たちのリフレクションと言語化の習慣化を支援すべく、次年度以降もこの取り組みを継続していく予定です。
サイボウズ株式会社執行役員 林 忠正氏(審査委員)講評

JSRAは今年度で3回目となりますが、年々発表内容のレベルが上がっていることに驚いています。最優秀賞、審査員特別賞を受賞された2人はもちろん、ほかの8人の皆さんの発表もとてもすばらしかったので、どうか自信を持ってください。
冒頭に難波学長からもお話がありましたが、経験を振り返って言語化するトレーニングは非常に重要です。社会に出て、複数のメンバーと力を合わせて一つの成果を上げるといった場面では、自分の知識をほかのメンバーと共有し、それを生かしてもらう能力が求められます。今後もそのことを意識し、ぜひ自身との対話を続けていただけたらと思います。
最優秀賞受賞 人間社会学部現代社会学科2年 丸山 和音さんのコメント

私がJSRAに応募しようと思ったのは、学友会で一緒に活動していた先輩が、2年前のJSRAで審査員特別賞を受賞されたことがきっかけでした。ほかの在学生の皆さんがどんな活動をしているのかぜひ発表を聞きたいと思いましたし、経験の言語化に取り組むことで、自分自身の学びを整理することができるのではないかと考えて応募を決めました。
発表のテーマに選んだのは、NPO法人ROJE(以下、ROJE)での活動です。普段は教員向けのWebサイトの運営などに携わっていますが、今回はROJEが毎年主催している「五月祭教育フォーラム」の運営に、広報班?取材班のリーダーとして参加した経験を取り上げました。

イベントの広報期間が例年より短いといった事情があり、効果的な広報を考えるのは大変でしたが、SNSの活用などに力を入れたおかげでイベントへの事前申し込みを促すことができました。また、ROJEに加わったばかりのメンバーと関係性を構築しながら、リーダーとしてチームをまとめていく難しさも知りました。最初は先頭に立ってグイグイ引っ張っていこうと考えていましたが、最終的には親しみやすいリーダーになることが大切だと学べたことも大きな収穫だったと思います。
このようにJSRAで最優秀賞をいただけたのは大変ありがたいことですが、ほかの参加者の皆さんの発表を通して、自分にまだ足りていない部分に改めて気付く結果にもなりました。ROJEでの経験はもちろん、JSRAに参加したからこそ得られた学びを今後に生かし、経験を言語化する取り組みを継続していきたいです。
審査員特別賞 人間社会学部人間社会学科2年 田中 こころさんのコメント

そもそも、私がJ-STAFFのメンバーに加わったのは、自分が受験生として第一志望だった実践女子大学のオープンキャンパスを訪れた際、J-STAFFとしてサポートしてくださった先輩がとてもキラキラと輝いて見え、「私も入学したらJ-STAFFになろう!」と思ったからでした。本格的に活動に参加するようになったのは2年生になってからで、これまで計4回オープンキャンパスでおしゃべりコーナーを担当。「自分の経験を踏まえて、来場者に寄り添う!」「笑顔で明るく対応する!」をモットーに、来場者の皆さんのご質問にお答えしてきました。
この活動中に味わったのは、「自分も誰かの役に立てる」という充実感。以前に対応した来場者の方が、わざわざもう一度私に会いに来てくださったときは本当にうれしく、やりがいを実感しました。そして、仲間と同じ目標を持って力を合わせることの大切さや、相手の立場に立って物事を考えることの重要さを学び、自分の強みに気付くこともできました。
3年生からはJ-STAFF幹部スタッフとして活動していく予定です。幹部スタッフという立場を通じて視野をより一層広げ、マネジメント力も身につけていきたいと考えています。また、これまで丁寧なフォローで活動を支えてくださった先輩幹部スタッフのように、今度は自分がほかのメンバーのモチベーションを高める存在になれるよう努力を重ねていきたいです。