【『埼玉新聞』(2025年3月28日付)掲載】食生活科学科食物科学専攻の学生が、「狭山茶レシピコンテスト」で最優秀賞を受賞! 埼玉県知事より表彰されました(3/17)
※2025年4月10日追記
『埼玉新聞』(2025年3月28日付)に掲載されました。
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生活科学部食生活科学科食物科学専攻4年の平野咲良さんが、埼玉県の「狭山茶レシピコンテスト2024」に応募した「和紅茶キャラメルのバスクチーズケーキ」で最優秀賞を受賞されたと『埼玉新聞』(2025年3月28日付)の14面に掲載されました。
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2025年3月21日掲載
生活科学部食生活科学科食物科学専攻4年の平野咲良さんが、埼玉県の「狭山茶レシピコンテスト2024」に応募した「和紅茶キャラメルのバスクチーズケーキ」で最優秀賞を受賞。3月17日(月)、同県庁県知事室で開催された表彰式に出席し、大野元裕知事より表彰状と副賞を受け取りました。表彰後は、受賞レシピを再現したスイーツが大野知事と長峰宏芳県茶業協会会長に振る舞われ、懇談しながら試食いただく時間も設けられました。
表彰式で受賞を喜ぶ平野咲良さん(左)と大野知事
受賞レシピ「和紅茶キャラメルのバスクチーズケーキ」
狭山茶の魅力を発信し、新たな需要を創出するため、埼玉県では狭山茶を使ったレシピコンテストを開催しています。第5回目となる2024年度は、狭山茶の「和紅茶」を使ったレシピ募集に対し、約100件の応募が寄せられました。その後、厳正なる審査により一般の部で最優秀賞1名と優秀賞2名、学生の部で最優秀賞1名と優秀賞1名が決定し、平野さんは学生の部の最優秀賞に選出されました。
平野さんが応募したレシピは「和紅茶キャラメルのバスクチーズケーキ」。「和紅茶」という“和”の要素と、キャラメルを練り込んだチーズケーキという“洋”の要素の融合をコンセプトとしており、味のクオリティの高さと、ダイレクトに伝わる狭山の和紅茶の味わい、香ばしくこんがりとした風味と和紅茶との絶妙なマッチングが評価されての受賞となりました。
表彰式では大野知事が自ら表彰状と副賞を授与
3月17日(月)、県庁県知事室で開催された表彰式には、平野さんを含む5名の受賞者が招待されました。一般の部および学生の部の最優秀賞受賞者は大野知事から、優秀賞受賞者は長峰会長から、表彰状と副賞を受け取りました。
その後、平野さんを含む受賞者たちの応募レシピ作品が、大野知事と長峰会長に振る舞われました。各自のレシピのポイントを説明する受賞者たちとの懇談を交えつつ、大野知事と長峰会長がそれを実食。「濃厚な味わいで、和紅茶の風味がしっかり感じられる」と大野知事からコメントを受けた平野さんは、喜びの表情を見せていました。
大野知事から表彰状授与
レシピポイントを説明する受賞者たちとの懇談
食生活科学科食物科学専攻4年の平野さんのコメント

私は埼玉県狭山市出身です。かねてより地元の名産品である狭山茶の認知度を向上させたい、狭山茶を使った新たな商品を開発することで、地域経済の活性化および地元の食文化の継承に貢献したいという思いがあり、卒業研究で狭山茶を使った商品開発に挑戦することにしました。そして、狭山市内の約10カ所の茶園を巡り、さまざまな文献にあたる中でたどり着いたのが「和紅茶」でした。日本三大茶の一つとされながらも、静岡茶や宇治茶に比べて生産量が少ない狭山茶。それを原料とした和紅茶の存在を広く知ってもらいたいと考え、レシピの開発に着手しました。そんな中、「狭山茶レシピコンテスト」が「和紅茶」をテーマに開催されると知り、開発中のレシピをアレンジしてこのコンテストに応募することにしました。
レシピ開発においては、味はもちろんのこと、いかに和紅茶の香りを引き立たせるかという点にこだわり、クッキーやプリン、アイスクリームといったスイーツのほか、ドレッシングやジェノベーゼソースなど10種類以上の試作品を作成しました。その結果、バスクチーズケーキが最も商品化に適していると判断。和紅茶の風味をより一層際立たせるため、ケーキの生地だけでなく、そこに混ぜるキャラメルにも和紅茶を練り込む工夫を凝らし、“和”と“洋”が融合した商品を目指しました。
4回の官能評価をして改良を繰り返して完成させた自信作ですが、まさか最優秀賞に選ばれるとは思っておらず、予想以上の賞をいただけたこと、さらには試食してくださった大野知事や長峰会長から「おいしい」と言っていただけたことを大変うれしく思っております。私の考案したレシピが、狭山茶および和紅茶の認知度向上につながるならさらに光栄です。
今回のレシピ開発につながる卒業研究の過程では、埼玉県茶業研究所と「簡易提供型共同研究」の契約を結び、茶葉の和紅茶への加工をマンツーマンでご指導いただいたり、茶葉を提供いただいたりするなど、多大なお力添えをいただきました。指導教員である松岡康浩先生には、契約締結の手続きにご尽力いただいたほか、研究および論文作成にあたり丁寧なご指導をいただきました。官能評価に協力してくれたゼミの仲間も含め、お世話になった皆さま全員に、この場を借りて感謝申し上げます。
食生活科学科 松岡康浩准教授のコメント

私が指導にあたっている食品産業学研究室では、農水産業を含めた食産業の発展のために何が必要かを考察し、食品産業全般の課題について広く深く研究しています。市場調査や食品試作、官能評価などマーケティングの手法を用いて、実際に商品開発のプロセスを実施することにも取り組んでおり、地元愛あふれる平野さんの卒業研究のテーマは、まさに当研究室の目的と合致するものでした。
平野さんは、こちらから指導するまでもなく自主的に茶園へのリサーチを始め、埼玉県茶業研究所が毎年開催する研究成果発表会に参加したいと自ら申し出てくれました。地場産業と密接した研究成果発表に私自身も興味を覚え、平野さんと一緒に参加したのが「簡易提供型共同研究」の契約締結のきっかけとなりました。契約の手続きこそ私が行いましたが、すべては平野さんが主体的に動いた結果であり、今回の「狭山茶レシピコンテスト」への応募も、いわばスピンオフ的に平野さん自身が決めたことでした。最終的に平野さんが最優秀賞に選ばれたのは、苦労の末に到達したレシピのオリジナリティにあったと捉えています。自身で次々とアイデアを出し、さまざまなチャンスをつかんでそれを見事に形にしていった平野さんの行動力は、非常にすばらしかったと思います。この経験は、社会に出てからも必ず役に立つことでしょう。
普段、学生を指導する上では、研究しやすい環境を整えることを第一に考えています。自分の頭で考えて進めてこそ「研究」ですので、今後も指導者というよりはサポート役として、学生に寄り添いながら主体的なチャレンジを応援していきたいと考えています。
埼玉県農林部生産振興課花き?果樹?特産?水産担当副課長 西川美穂氏のコメント

狭山茶を使った創作レシピを通じてその活用方法ご提案し、県民の皆さまはもちろん、全国の皆さまに狭山茶の魅力を知っていただくことを目的とした「狭山茶レシピコンテスト」も、2024年度で第5回目を迎えました。今回のテーマは「和紅茶」。和紅茶の生産に取り組む茶業者の数で全国有数の地位を誇る埼玉県だからこそ、和紅茶をより多くの方々に知らしめるべく、この挑戦的なテーマでレシピコンテストを開催するに至りました。おかげさまで100件近い応募をいただき、無事に表彰式を執り行うことができたことに心より感謝申し上げます。
審査会には埼玉県職員のほか、県内の飲食店、茶業者といった外部の皆さまにもお集まりいただき、厳正な審査を実施しました。その結果、学生の部の最優秀賞に選ばれたのが平野さんのレシピでした。食べておいしいのはもちろん、和紅茶の風味が見事に生かされている点が高く評価されました。
受賞レシピはホームページにも掲載させていただきます。これが、狭山茶を使った和紅茶の認知度向上の一助となり、狭山茶のさらなる活用促進につながれば幸いです。