アメリカ文学 教員紹介
稲垣 伸一
ナサニエル?ホーソーンをはじめとする19世紀アメリ小説を主な研究分野としています。また、文学作品との関連で、女性解放運動?健康改革運動などの社会改革運動、ユートピア思想、スピリチュアリズム(心霊主義)など、19世紀に流行した思想?運動についても関心を持っています。
19世紀の文学や文化を研究するおもしろさの一つは、意外なところで現在のアメリカの姿と関係があることを発見して、この国の特質のようなものに気づく瞬間が時々訪れるということでしょうか。文学作品をアメリカの歴史や文化と関連づけて考察すること、あるいは、 書かれた時代を表す一つの資料として文学作品を読み、そこからその時代の社会について検討してみることを普段の研究や授業では目指しています。
所属学会 |
日本アメリカ文学会 |
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論文 | |
項目執筆 |
『アメリカ文学入門』諏訪部浩一編, 三修社, 2013年. |
佐々木 真理
19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した、アメリカ合衆国の女性作家が主な研究テーマです。女性の生き方が大きく変動した時代にあって、書くということを選択し、女性が活躍する新たな領域を獲得していった女性たちの思想と作品について考察しています。時代も場所も異なる女性たちの足跡をたどることが、いま、ここにいる私たちの現在と未来を見つめ直すきっかけとなる、それが文学研究という学問の面白さだと思います。
所属学会 |
日本英文学会 |
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論文 | |
項目執筆 |
『アメリカ文学入門』諏訪部浩一編, 三修社, 2013年 |
難波 雅紀
17世紀から19世紀前半にかけてのアメリカ文学?文化を専門領域として研究しています。特に、植民地時代ニューイングランドのピューリタニズムの世界観と人間観を、組織神学における教義学?教会論?終末論との関連で明らかにするとともに、その世界観と人間観に呪縛されつつアメリカン?アイデンティティが形成されてきた態様を実証していくことを、現在の研究課題としています。
所属学会 |
日本アメリカ文学会 |
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論文 |
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項目執筆 |
『週刊朝日百科 世界の文学』第31号, 朝日新聞社, 2000年. |
深瀬 有希子
アフリカ系アメリカ文学を専門としています。かつて19世紀奴隷制度下では、黒人たちは家族離散や性的搾取をこうむるだけでなく、読み書き能力を身につけることを白人為政者によって禁じられていました。しかし、そうした人間性が否定された過酷な状況にありながらも、彼らは合衆国建国の礎である自由と平等の理念を自身の言葉で再定義し、のちに「奴隷体験記」と呼ばれる文学ジャンルを創り出しました。授業では、この文学史的文脈をふまえつつ、ハーストン、エリスン、モリスンらに代表される現代アフリカ系アメリカ人作家による小説を特に取りあげ、そこに読み/聴きとれるブラック?ヴァナキュラーの伝統が、おおよそ1960年代に至るまで主流と見なされてきた「白い」アメリカ文学思想にいかなる影響を与えてきたかを考察します。
所属学会 |
日本英文学会 |
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著書 |
『新たなるトニ?モリスン』(共著)金星堂,2017年. |
翻訳 |
ヘンリー?ルイス?ゲイツ?ジュニア『シグニファイング?モンキー—もの騙る猿/アフロ?アメリカン文学批評理論』(共訳)南雲堂フェニックス,2009年. |