授業紹介!教職関連実技科目「絵画実習b」担当:織田涼子
美学美術史学科の教員が担当する教職関連実技科目の一つに、水彩画と木版画を制作する「絵画実習b」の授業があります。主に、美術科の教員免許を取得する人、制作に興味がある人など、2年生以上の希望者が履修します。この授業では、特に水性の絵具と紙の質感を活かした表現について学んでいます。9月末から10月にかけて植物や風景を写生し、水彩画を2点完成させたところで、鑑賞会をおこないました。
制作の創意工夫を話し合う
鑑賞会では、写生をもとに「表したい」と考えたことを、どのような手法で実現したのか、まずは各自で振り返ります。次に、技法の効果や制作中の工夫を文章でまとめた上で、2?3名に分かれて互いの作品を講評しました。
相手の作品について分析したことを作者に質問するなどして、鑑賞者の見え方と製作者の意図を突き合わせます。また、相手からの意見を受けて、改めて自分の作品を眺めると、新たに気づくことがあるかもしれません。
授業では、美術科の教員免許取得を目指す人や、4年生で実技ゼミへ進む人などが表現の幅を広げられるよう、様々な材料を使って制作するほか、体験したことを具体的に書き出す時間も大切にしています。
鑑賞会のコメント
<自分の作品について>
?時期によって自然物は変化していくため、写生した日の景色を頭に入れつつ描いた。
?下の色が乾いてから重ねて塗ることで、透明の良さも感じられ、単色を塗る、混色するのとは
違ったあじが出ると思った。
?写真を見て描くのと違い、どこを切り取って写生するか決めるのが難しかった。描きたいとこ
ろを全部入れるとごちゃごちゃするので、2枚目を描くときは1部分を大きくして構成した。
<相手の作品について>
?自然と人工物の描き分けの面白さがある。
?モチーフによって技法を変え、印象を変えている所が工夫しているポイントだと思いました。
<自分の作品でアピールしたい観点>
?緑色を多様に用いたところ、手前と奥に技法の違い
?葉の描き分け、色と筆触、筆致の違いをたくさん行った点