【幼児保育専攻】教師ほど幸せな仕事はない!
そう本気で思いながら、私は21年間の小学校教員人生を歩んできました。今も心に残るエピソードを3つご紹介します。
※エピソードに出てくる子どもたちの名前は全て仮名です。
1.休み時間の「鬼ごっこ」
小学校では、2時間目と3時間目の間に「中休み」が、給食後に「昼休み」があります。私は5つの小学校を経験しましたが、どの学年の担任になっても、休み時間はいつも外で子どもたちと走り回っていました。ドッジボールや一輪車、鉄棒など色々やりましたが、一番やったのが「鬼ごっこ」でした。教員6年目に東京マラソンを走ったことをきっかけに趣味がマラソンになりました。それからは、子どもたちとの鬼ごっこが日々のトレーニングにもってこいでした。6年生担任の時は、学年で一番足が速いと噂のケンタ君(50m走のタイムが7.2秒)も楽々と捕まえることができたので、「先生、大人げない!」とよく言われていました。大学教員になった今は、鬼ごっこができないのが少し寂しいです。
2.忘れられない授業
5年生担任だった冬のある日、理科で「電流の働き」を学習していました。授業の後半、電磁石の学習のまとめをしようとした際に、私のマスクのひもが突然切れてしまいました。「ごめんなさい。替えのマスクを持ってくるから、少し待っていてね。」と子どもたちに伝えて職員室に向かい、新しいマスクを着けて急ぎ教室に戻ると…、
日直のミドリさんとタカシさんが黒板の前に出てきて、授業を進めていたのです。
ミドリ:次に、電流の流れる向きについて、分かる人?
子どもたち:はいはいはい!(※一斉に挙手)
私はというと、授業の邪魔をしないように教室の後ろの扉から入り、その素敵な光景を黙って見守っていました。すると、教室後方の座席にいたヨシトさんが私の方にふり返って一言、「先生、要らないね(笑)」。教師に頼らず自分たちの力で学びを深める子どもたちの姿に、驚きとうれしい気持ちで胸がいっぱいになった瞬間でした
3.あの日の手紙
2024年11月吉日、小学校教員になって初めて担任したコウスケさんの結婚披露宴に招待されました。それだけでも本当にうれしいことなのに、さらに幸せな出来事がありました。披露宴会場に到着すると、エントランスに設置されたウェルカムボードに、見覚えのある手紙が飾られていたのです。その手紙は、コウスケさんの小学校卒業の日に、私が贈ったものでした。当時、初めての卒業生担任として「何かしなければ!」と卒業式前日に思い立ち、子どもたち一人一人に必死で書いたことを思い出しました。「ずっと持っていてくれたんだ!」と感激したのは言うまでもありません。
近年、教員のなり手不足が深刻化しています。もちろん大変なことも多い仕事ですが、様々な苦労が一瞬で吹き飛ぶほど幸せな瞬間が数多くあります。
2025年4月、生活文化学科?幼児保育専攻?幼小コースを巣立つ学生のうち6名が小学校教員になります。素敵な先生になって、たくさんの幸せな瞬間を子どもたちと共に経験してほしいと心から願っています。
(文責:井上 陽童)