卒業論文発表会2024
今年度も生活文化学科「卒業論文発表会2024」が開催されました。
卒業論文は、4年間の学びの集大成として、これまで自身が学んできた学習課題の中で関心を持ったテーマを設定し、4年生の一年間をかけて作成していきます。その他の授業で課されるレポート課題とは質的にも量的にも異なり、各学生は様々な試行錯誤を繰り返して、卒業論文の作成と本発表に臨んでいきます。これまで基本的には教員から与えられたテーマで「○○についてレポートを作成しなさい」という課題対応型のレポートを提出してきましたが、卒業論文に限っては自主性(自分らしさ)が最も大事になります。
卒論はよく「料理」に例えられます。まず、何を作るかを考え、食べたいもの(メニュー)を決めます。そのために、様々な素材を選び、調理し、盛り付けをしていきます。これまで、多くの授業ではいわば「カレーライスを作りなさい」というお題が与えられ、そのメニューに沿って自分なりのアレンジ(主張)を加えつつ、作成してきました。しかし、卒業論文では、そのメニュー作りから自分で行うのが醍醐味です。完成した卒論は自分が表現したいことが形になったもの(メインディッシュ)です。
また、卒論の取り組む過程でも、その人らしさが見えてきます。
?はじめはイヤイヤながらだけど、徐々に面白さが分かり楽しくなってくる人
?できるだけ最小限の努力で、最短で提出(目標達成)を目指す人
?最初は勢いよくスタートして張り切るけれど、最後は何とか無難に終える人
?体裁もできるだけ丁寧に整えようと注意を配る人
提出した卒論の出来栄えはもとより、どのような取り組み方をしたのか、そのプロセスも振り返ってみると、自分らしさが見えてくるかもしれません。これから社会という荒波に出て、大変な仕事に直面することもあるだろうけれど、どのような業界であっても仕事への取り組み方というものも大事な社会人基礎力であることはきっと変わらないでしょう。
社会課題や問題意識といったメニューを設定し、主に言葉と数字といった素材を活用して、論理的思考(展開)という調理を行い、自説を表現して他者の理解を得る(味わってもらう)。卒論という最終課題にはこれから始まる社会人生活に欠かせないエッセンスがたくさん込められています。この「卒業論文」に込められた教育的意味は、必ずしも直ぐに表れるものではないかもしれませんが、その先の将来に必ず繋がる学習体験となります。いつの日かその価値を感じてもらえる時がくることを願っています。
高校生の皆さん、大学だからこそ得られる学習過程を、本学で一緒に体験してみませんか?
2024年度 卒業論文発表会にて
いつになく神妙な面持ちで…
(文責:塚原 拓馬)