竹内ゼミ 『SDGs に関する調査』の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:『SDGs に関する調査』の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 19 期生 熊田彩
私は現在大学で SDGs についての講義を受講しています。SDG の各目標とその内容について学習しているうちに、目標達成のために身近で取り組めることを考えたり SDGs に関連した商品やサービスを意識して見たりするようになりました。他の人が SDGs に関してどれほど興味関心があるのか気になり、今回 SDGs に関する調査を調べました。
今回紹介する調査は、楽天インサイト株式会社がインターネットで実施した「SDGs に関する調査」です。この調査は 2023 年 7 月 12 日と 7 月 13 日に楽天インサイトに登録しているモニター(約 220 万人)の中から、全国の 20~69 歳の男女 1,000 人を対象に行った調査です。今回は公開されている調査内容のうち、特に気になった 3 つの項目について紹介します。
一つ目は、商品を購入する際、または購入場所を検討する際に、その商品の製造?販売元の企業やオンラインショップ?EC サイトが「SDGs」に貢献しているかどうか考慮するか聞いた質問では、商品の製造?販売元の企業の全体で、「SDGs への貢献を考慮している」(「SDGs への貢献を考慮している」と「SDGs への貢献をやや考慮している」を合わせた項目)と回答した企業が、38.0% になることがわかりました。同じくオンラインショップ?EC サイトの全体では、32.5% となり、どちらも 4 割未満でした。このことから、商品の製造?販売元の企業やオンラインショップ?EC サイトのどちらにおいてもSDGsを意識した購買行動はまだ十分ではないことがわかります。なかでも、ややオンラインショップ?EC サイトでは考慮しないという傾向がありました。
二つ目は、先ほど商品購入の際に「SDGs への貢献を考慮している」、もしくは「SDGs への貢献をやや考慮している」と答えた人にその判断基準について、複数回答で聞いてみたところ、最も多かった回答は「商品ページの説明文を見て」という回答で、商品の製造?販売元の企業の貢献度を判断らくする人では 39.5%、オンラインショップ?EC ショップの貢献度を判断する人では 35.4% となりました。2 番目の判断基準はともに「ホームページや広告などに掲載されている SDGs ロゴ?アイコンを見て」(商品の製造?販売元の企業が 33.7%、オンラインショップ?EC ショップが 26.2%)でしたが、3 番目は商品の製造?販売元の企業が「メディア(テレビ、ラジオ、ネットニュース等)を見て」の 33.7% に対して、オンラインショップ?EC ショップは「口コミを見て?聞いて」が 24.9% になっており、少し違いがありました。このことから、購入判断をするとき、商品についての具体的な情報を見る人が多いことがわかりました。
三つ目は、普段から環境保護?保全のために取り組んでいることを聞いたところ、複数回答でも単一回答でも上位はおおむね同様の結果で、「マイバッグを利用する」が複数回答で 78.6%、単一回答でも 38.2% と最も多く、次いで「節電を心がける」が複数回答で 69.6%、単一回答で 17.8%、その次が「買った食材?食品を使い切る」が複数回答で 64.8%、単一回答で 19.2% となり、以降、「節水を心がける」(複数回答が 59.6%、単一回答が 3.3%)、「マイボトルを利用する」(複数回答が 44.5%、単一回答が 7.5%)、「賞味期限の近い商品を買う」(複数回答が 28.0%、単一回答が 3.8%)、「リサイクル商品を選ぶ」(複数回答が 14.7%、単一回答が 0.9%)、と続きました。また、「取り組んでいることはない」と回答した人は全体でも 8.0% と 1 割未満でしたことから、逆に考え 9 割以上の人が環境保護?保全のためにいずれかの取り組みを行っていると言えそうです。
以上のことから、日常生活で簡単にできる環境への取り組みの実施率は高い傾向にあります。しかし、商品購入の際に SDGs を意識してしている人は半数以下です。そのため、SDGs に対する意識の向上と SDGs につながる消費行動の拡大が課題として考えられます。
今回の調査結果を踏まえ、SDGs の目標達成のために私もマイバックの持参や節電など引き続き心掛け、さらに今後は、SDGs に貢献した商品等を積極的に購入していきたいと感じました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
楽天インサイト株式会社(2023年7月)SDGsに関する調査
https://insight.rakuten.co.jp/report/20230905/
(最終確認日:2025/01/13)