留学?インターンシップ経験者インタビュー(生活環境学科 2019年卒)
英語力に自信がなかったところから、
海外で仕事をするまでに。
自分の意見を持つ姿勢と広い視野も、
留学で得た財産。

生活科学部 生活環境学科 2019年卒
齊藤 遙紀さん
齊藤 遙紀さん
留学先:
●アボッツフォード(カナダ)3週間
●セブ島(フィリピン)2カ月
●ケロウナ、バンクーバー(カナダ)10カ月
気持ちを思うように伝えられない。
悔しさが、英語学習のモチベーションに。

姉が留学を経験しており、語学力を高めて視野を広げている様子を目の当たりにして、「自分も日本の外に出て英語を学んだり、その国の文化に肌でふれてみたい」と考えるようになりました。
大学2年の夏休みには、本学の海外語学研修でカナダのアボッツフォードへ。この時の滞在期間は3週間で、楽しかったものの「もっと英語を学びたい、現地の人々ともふれ合いたい」という思いも残りました。そして大学4年への進級を控えた春休み、フィリピン?セブ島での2カ月間の留学にチャレンジしました。
セブ島を選んだのは、受講していた深澤晶久先生の「グローバル?キャリアデザイン」の授業で講演された留学エージェントの方から、「英語学習のカリキュラムが充実している」という話を聞いたためです。自分の語学レベルに合わせたマンツーマンレッスンが受けられることや、費用が比較的抑えられること、フィリピンの公用語が英語であることも魅力でした。
セブ島留学で印象に残っているのは寮での生活です。各国から学生が集まっており、言葉が十分に通じない中でどのようにコミュニケーションを図るか、試行錯誤を重ねました。思うように気持ちを伝えたり相手の考えを理解することができず悔しさを感じることもありましたが、「もっと英語力がつけばスムーズにやりとりできるようになる!」と学習へのモチベーションが高まりました。内気で人に流されることの多かった私にこんな負けず嫌いの面があるのかと、これまで知らなかった自分に気づくきっかけにもなったと思います。それぞれ異なる価値観や生活習慣を持つ人たちとの出会いから、さまざまな文化や世界の出来事に関心を持つようになったことも、この留学経験で得た収穫でした。
英語学習だけでなく仕事も経験できる
カナダでのプログラムに挑戦。

自分が発する英語でいろいろな国の人とコミュニケーションを図る、セブ島での経験がとても新鮮で、「私にもこんなことができるんだ」と自身を見直す機会にもなりました。もっと多くのことを体験して自分の可能性を広げたい、という思いから、大学卒業直後にさらに長期間の留学を行うことを決めました。今度は英語力を高めるだけでなく、現地で仕事をして就労経験を積むことも目標にしました。
留学先はカナダです。自然が豊かで治安も良いなど、以前、海外語学研修で訪れた時の印象が良く、語学学習とインターンシップを備えたプログラムが用意されていることが決め手でした。
3度目の留学では、ケロウナの語学学校で6カ月間英語を学んだ後、バンクーバーでのインターンシップを4カ月経験。インターンシップでは、アパレルショップでセールスアソシエイト(販売スタッフ)の仕事に就きました。ショップの開店?閉店作業のほか、お客様に商品を提案したりサイズ決めの相談に乗ったり、会計や商品の品出しを行うのが主な業務です。

インターンシップ前も英語力に自信があったわけではありませんが、語学学校で学べる以上に幅広い英語を修得したいという強い思いがあり、「できないのは当たり前。壁にぶつかったら一つひとつ乗り越えればいい」という気持ちで挑戦することにしました。もちろん、You TubeやSNSなどを活用して専門用語や接客用語を事前に学ぶとともに、インターンシップがスタートすると同僚の様子を観察して話の内容を真似するなど、自分でできる取り組みは意識的に行っていきました。
実は、以前からキャビンアテンダントのような航空関係の仕事に憧れがあり、インターンシップの途中で空港のラウンジで働く業務にも挑戦しました。ここではビジネスクラスの利用者に接する機会が多く、上品な英語や、アパレルショップで使われるものとは異なるフレーズ、立ち居振る舞いなどを学ぶことができました。
インターンシップ終了後、そのままカナダで暮らすことに。空港での業務は3カ月ほどで終了しましたが、アパレルショップでの仕事は続けており、現在はセールスアソシエイトから昇格してアシスタントマネージャーを務めています。業務内容は従来のものに加え、販売スタッフへの指示出しや電話対応、クレーム対応も行うように。より深く複雑な内容のコミュニケーションを行う機会も増え、英語力に課題を感じるシーンもまだまだありますが、セブ島での短期留学の時には英語でのコミュニケーションが満足にできなかった自分を振り返ると、いろいろな経験を糧に成長したことを実感します。
自分の足で訪れるからこそ、
見えてくるもの?感じられるものがある。

英語力が向上するとともに、日本では経験できない体験ができたこと、これまで知らなかった文化や習慣にふれられたことなど得たものはたくさんありますが、留学して良かったと感じることの一つが、自分の意見を持って主張する姿勢が身についた点です。
私がこれまで訪れた国では、「あなたはどう考えているの?」と意見を求められるシーンが多々ありました。日本にいた時のように相手に同調するばかりではなく、自分の考えをはっきり主張することが求められます。
特にカナダは多民族国家のためか意見を聞かれることが多いのですが、どんなことを言っても間違いではなく、「あなたの意見」として尊重してもらえます。相手の話に耳を傾け受け止める文化があると感じます。仕事の中でもお客様に「この服は私に似合っているか、サイズは合っているか」とたずねられることがよくありますが、「こちらの色の方が似合っている、このサイズの方がスタイル良く見える」といった風に思ったことを伝えると、素直に聞き入れてもらえます。「あなたの提案のおかげで良い買い物ができた」と喜ばれることもあって、すごくうれしいです。
そんなオープンマインドな風土に影響を受けて、私自身も相手の話に耳を傾け、自分とは異なる考えも受け止められるようになりました。現在の勤め先もカナダはもちろんアイルランドやトルコ、イラン、韓国などさまざまな国の出身者が集まっており、意見や価値観がくい違うこともありますが、コミュニケーションを重ねることでお互いに理解を深め、力を合わせることができています。

また、以前は何についても消極的でしたが、留学先では楽しく有意義に過ごすためにコミュニティをつくったり情報交換をしたりと自分から働きかけることも多く、そんな自分に対して「行動力がある」と自信を持てるようになりました。海外で安全に過ごすためには事前に調べておいたり準備することはもちろん、意志を強く持つことも大切です。そうした環境に身を置くことで、自然と自立心も磨かれたと思います。
今後の目標は、空港での仕事に再びチャレンジすること。海外から到着した時はどんな方でも不安や疲れがあると思うので、英語力と日本人ならではの「おもてなし」の精神でそんな方々をサポートできれば、と思っています。
また、私自身が留学という経験を通じて広い世界に踏み出し視野を広げることができたので、次世代に留学の素晴らしさを伝え意欲ある人を後押しする留学エージェントの仕事にも興味を持っています。
留学を考えている方に伝えたいのは、ぜひ若いうちにたくさん挑戦してほしい、ということ。現在はインターネットでさまざまな国の様子に触れることができますが、実際に自分の足でその地に行くからこそ見えてくるもの?感じるものがたくさんあります。本学の国際交流推進課には留学に関する情報が豊富に集まっており、自分の学びたいことややりたいこと、性格などを伝えて相談することで、希望に合った国や学校についてアドバイスしてもらえます。こうした拠点や留学に関する制度を積極的に活用しながら、ぜひ海外で学びいろんな人とふれ合って、自身の可能性を広げていただきたいです。