馴染み深い異世界、シブヤ ー国文学科特別講演会を終えてー
梁取結衣(国文学科3年生)
最初に今回の講演会のお話を聞いた時、渋谷を舞台とした作品の作家さんを渋谷に招いて行う、とてもユニークなものという印象でした。しかし、実際に受けてみるとそれは全く違うものとなりました。
私はアンナさんにお会いするより先に?シブヤで目覚めて?の主人公?ヤナ?に触れていたのですが、アンナさんを一目見た時に?あ、ヤナ?クプコヴァーが渋谷に戻ってきた?と気付きました。気付く、という言葉は不適切にも思われるでしょうが、あの時の心情は本当に?小説で出逢った人物が目の前に現れた?というものでした。(勿論、この作品はフィクションであると理解はしていますが…)
ですから、始まってみるとこの講演会は単なる?渋谷をモデルにした作家を渋谷にご招待?というものではなく?渋谷にいる17歳のヤナ?クプコヴァーを迎えに来る?というものであったような気がします。
また、こちらはこの作品に関する感想にもなりますが、私は朗読したパートのヤナに深く感情移入をしていました。彼女が渋谷で感じたこと全ては私が上京してきた時に覚えた感情と全く同一のものだったからです。緊急事態宣言下ではなくとも20時にはお店が閉まってしまう田舎から来た私にとってTokyoは言語の通じる別の国。チェコ文学と聞くと尻込みしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、是非手に取って見て下さい。そこにはヤナがいますがきっと貴方もそこにいると思います。
付記
梁取結衣さんは、2021年度の国文学科特別講演会「渋谷からシブヤへ」で朗読を担当しました。
講演会の記録は以下のリンクで視聴できます。
ブルナ?ルカーシュ准教授とアンナ?ツィマ氏
朗読する梁取結衣さん
ライブ配信の様子