竹内ゼミ 「音楽メディアユーザー実態調査 2021」
『女子目線』のデータサイエンス:「音楽メディアユーザー実態調査 2021」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 17 期生 菅又彩花
音楽を聴くということに対して、コロナ禍以前は対面でのコンサートやライブの実施も多かったため直接触れる機会がありました。しかしコロナ禍以降、オンライン配信など新しい音楽の聴き方も取り入れられたことで変化がありました。このようなことを踏まえ、日頃の音楽の聴き方にも変化があるのではないかと思い、今回一般社団法人日本レコード協会が実施した音楽メディアユーザー実態調査(出典元は日本レコード協会。下記の参考文献を参照)を紹介することにしました。
この調査は、一般社団法人日本レコード協会が全国 12 歳-69 歳の男女を対象に 2021 年 12 月にインターネットで実施したもので、世代間の比較およびトレンドの分析の二つの視点から、音楽ソフトや有料音楽配信等の音楽メディアの需要を総合的に把握することを目的としています。今回は掲載されている調査結果のうち、特に気になりました結果を紹介します。
この調査の結果、まず音楽に対する関わり方として「有料聴取層」が 27%、「無料聴取層」が 19.8%、「無関心層」が 39.4% となりました。2020 年度の調査と比較をして音楽を聴取している層は全体的に減少傾向で、有料聴取層に関しては 6.5% 減少していることが分かりました。また有料聴取層の年代別の結果として割合が高かったのは「大学生」の 44% でした。次に「高校生」や「20 代」が 35% 前後と続き、有料聴取が高い層はこの 3 つの年代であることが読み取れました。
次に音楽聴取方法の結果として、「YouTube」が 45 %、「テレビ」が 36%、「定額制音楽配信サービス」が 30% という結果になりました。さらに YouTube や定額制音楽配信サービスに関しては若年層が、テレビに関しては高齢層が多く利用していることが分かりました。特に 10?20 代に注目をしてみると、定額制音楽配信サービスについては「20 代男性」が 51.5% と 1 番高く、2 番目に 43% で「10 代男性」が続く結果になりました。YouTube については「10 代女性」が 57.2% と 1 番に高い結果になりました。この結果から 10?20 代の中で定額制音楽配信サービスは女性よりも男性の方が、YouTube は男性よりも女性の方が多く利用していることが分かりました。また音楽への支出額の変化についての結果として、「カラオケ」「コンサート」「CD レンタル」が減った項目の上位 3 つ、「CD 購入」「定額制音楽配信サービス」「定額制動画配信サービス」が増えた項目の上位 3 つとなりました。
本調査から日頃の音楽の関わり方についてもコロナ禍以前と以降で変化があることを理解できました。また 10?20 代については有料のサービスが普及したことで、音楽の楽しみ方にも変化がみられました。高齢層についても今回はテレビの利用率が高い結果となりましたが、どの世代においても引き続き音楽の楽しみ方や聴き方に対し変化があり続けるのではないかと感じました。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:一般社団法人日本レコード協会(2021)
音楽メディアユーザー実態調査 2021 年度
https://www.riaj.or.jp/f/report/mediauser/2021.html
(最終確認日:2022/06/22)