竹内ゼミ 「推し活に関する調査」の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「推し活に関する調査」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 18 期生 篠崎 礼衣
近年、アイドルだけでなく、キャラクターや俳優、お笑い芸人など、特定の対象である「推し」を応援する「推し活」と呼ばれるファン活動が一般的に広がってきています。そうした状況のなか、推し活はどのような実態があるのでしょうか。そこで、今回、推し活に関する調査について調べてみました。
今回紹介する調査は、楽天インサイト株式会社が実施した「推し活に関する調査」です(出典は下記の参考文献を参照)。この調査は、2023 年 10 月 5 日に楽天インサイトに登録しているモニター(約 220 万人)の中から、推し活をしている全国の 20-69 歳の男女を対象に行われたインターネットリサーチ調査で、調査サンプルは 1,000 サンプルでした。
ここでは、掲載されている調査のうち、特に気になりました「推し活として行っていること」、「推し活で人生が変わったか」、「推し活を通して得たこと」について、紹介します。
調査の結果、推し活として行っていることについて、「動画コンテンツを見る」と回答した人が全体で 68.8% と最も多く、次いで「テレビ番組を見る」と回答した人が 61.4%、「SNS をチェックする」と回答した人が 58.3% と、過半数に達しており、これらを推し活として行っている人が多いことがわかりました。年代別にみると、20 代の「グッズを購入する」と 30 代の「SNS をチェックする」は全体と比較して 5 ポイント以上高い一方、50 代?60 代では全体と比較して 5 ポイント以上低い結果となっており、若年層と中高年層では推し活として行っていることが異なっていました。
次に、推し活による人生の変化について、「良い方向に変わった」と回答した人は 63.7%、「悪い方向に変わった」は 2.0% という結果でした。男女別にみると、「良い方向に変わった」と回答した人は、女性が 69.0% で男性の 55.9% と比べ、13 ポイント以上高くなっており、男性と比べて女性の方が推し活によるポジティブな変化を感じる傾向があると言えます。
さらに、推し活を通して得たことについて、「気持ちが前向きになった」と回答した人が 57.8% で最も多いという結果でした。推しのジャンル別にみると、声優を推している人は「やるべきことへの活力を持つことができた」、お笑い芸人を推している人は「ストレスを感じることが減った」「人生の目標ができた」と回答した人が全体と比較して 10 ポイント以上高い結果でした。
本調査から、年代や性別、推しのジャンルによって、推し活の内容や推し活を通じた自身への影響に違いがあることがわかりました。推し活は、ストレス軽減や日々のモチベーション、充実感?幸福感の向上につながり、多くの人が自分に合った楽しみ方を見つけることができるため、今後も広がっていくと予想されます。また、コロナの収束に伴い、推し活を目的として外食や旅行をする人が増え、リアル消費が回復するとともに、推し活を行う人をターゲットとした市場も拡大していくと考えられます。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
「推し活に関する調査」
楽天インサイト調べ(2023年10月)
https://insight.rakuten.co.jp/report/20231122/