【社会連携PBL】 「ELSI」から考える「行動データ」利活用ビジネスとプライバシーの未来——実践デザインラボ2024 最終発表
実践女子大学人間社会学部のプロジェクト型授業「実践デザインラボI」で、11月22日から社会連携プロジェクトを開始し、12月20日に最終発表会を行いました。
履修生20名が挑戦したのは、「企業内哲学者」としても注目を集めている朱喜哲氏(株式会社電通 チーフ?リサーチ?ディレクター、大阪大学社会技術共創研究センター招へい准教授)からいただいた以下のお題です。
課題:「行動データ」利活用ビジネスとプライバシーの未来
① 2030年代に「プライバシー」の意識はどのように変化しているか?
現在、皆さんが「当たり前」と思っているプライバシーの感覚は、実はテクノロジー環境に左右され、時代と共に移り変わっていきます。
例えば1970年代、個人情報保護法が施行されるはるか以前の週刊漫画誌には漫画家の自宅住所がファンレター送付先として記載されていました。
今日、スマホなどのデバイスが発達し、企業などが取得できる個人データも多様になりました。
スマートウォッチをつけっぱなしにして、心身の状態を測定したデータを企業に渡すことに抵抗がない人も多くなっています。
課題①では、未来のテクノロジーを自由に想像し、これからの「プライバシー」がどうなるのか、ぜひアイデアを出してください。
例えば1970年代、個人情報保護法が施行されるはるか以前の週刊漫画誌には漫画家の自宅住所がファンレター送付先として記載されていました。
今日、スマホなどのデバイスが発達し、企業などが取得できる個人データも多様になりました。
スマートウォッチをつけっぱなしにして、心身の状態を測定したデータを企業に渡すことに抵抗がない人も多くなっています。
課題①では、未来のテクノロジーを自由に想像し、これからの「プライバシー」がどうなるのか、ぜひアイデアを出してください。
② 2030年代にどんなデータを使ったビジネスが生まれているか?
現在、ほぼあらゆるビジネスが何かしらの個人に関わる「データ」を用いています。
皆さんは、スマホやPC、その他の電子機器の操作を通じた、さまざまな行動(広告を見たり、物を買ったり)によって各種「データ」を生産し、そのデータを企業に渡すことと引き換えに、さまざまなアプリ?ツールを「無料」で利用しています。
課題②では、未来のテクノロジーを自由に想像し、将来、個人に関わるどのようなデータが取得できるようになり、それがどんなビジネスに繋がりそうか、ぜひアイデアを出してください。
ただし、提案するビジネス(アプリ)は、以下の観点を踏まえること。
? みなさん自身にとって利便性があり、使ってみたいこと(ニーズ)
? ビジネスとして持続可能であること(収益性)
? ELSIに配慮されていること(信頼性)
? 技術的な裏付けは不要だが、想像可能であること(実現性)
皆さんは、スマホやPC、その他の電子機器の操作を通じた、さまざまな行動(広告を見たり、物を買ったり)によって各種「データ」を生産し、そのデータを企業に渡すことと引き換えに、さまざまなアプリ?ツールを「無料」で利用しています。
課題②では、未来のテクノロジーを自由に想像し、将来、個人に関わるどのようなデータが取得できるようになり、それがどんなビジネスに繋がりそうか、ぜひアイデアを出してください。
ただし、提案するビジネス(アプリ)は、以下の観点を踏まえること。
? みなさん自身にとって利便性があり、使ってみたいこと(ニーズ)
? ビジネスとして持続可能であること(収益性)
? ELSIに配慮されていること(信頼性)
? 技術的な裏付けは不要だが、想像可能であること(実現性)
ELSIとは, 倫理的(Ethical)?法的(Legal)?社会的(Social)な課題/含意(Issues/Implications)の略称です。11月のプロジェクトキックオフでは、朱さんから実際のさまざまなデータビジネスの事例を踏まえつつ、データビジネスにおいて、近年はとりわけ「E」への関心が国内外で高まってきていることをご紹介いただきました。最後に、「理念?倫理を言語化して、広い意味で「デザイン」を通じてユーザー?関係者に伝えられることが、Society5.0時代のビジネスにおいての競争力の源泉であり、その領域を担う人材として「文系」人材こそが鍵を握っている」とエールをいただきました。
1ヶ月間、非常に難しいテーマにかなり悪戦苦闘していた学生4チームでしたが、12月20日の最終発表会では各チームからとてもワクワクする「行動データ」利活用ビジネスが提案されました。朱さんからは、4チームそれぞれに、さらに深掘りしていくと面白そうな点や実際に検討されている新しいテクノロジーやサービス実例を踏まえたビジネスとしての可能性?改善ポイント、データミニマイゼーションの考え方などをフィードバックいただきました。また「2030年代にはプライバシーの未来はこうなっている!」という学生からのビジョン提示には、朱さんや他のゲストにとっても興味深い指摘があり、非常に盛り上がる最終発表会となりました。
学生にフィードバックする朱喜哲氏(株式会社電通 チーフ?リサーチ?ディレクター、大阪大学社会技術共創研究センター招へい准教授)
未来のテクノロジー、行動データ、プライバシーの未来、そしてELSIといった、普段なかなか意識することのない難しいテーマにもかかわらず、最後まで果敢に挑戦してくれた実践デザインラボI履修生のみなさん、お疲れさまでした!
今後もさまざまなテーマで、より良い社会を自分たちで創っていく「社会デザイン」に挑戦していってください。
Text by 標葉(授業担当教員)