佐倉 統先生
自分自身の興味関心や疑問を大切に

佐倉 統先生(SAKURA Osamu)/社会デザイン学科
1990年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。三菱化成生命科学研究所特別研究員(1990-3)、横浜国立大学経営学部助教授(1993-2000)、ドイツ?フライブルク大学客員教授(1995-6)、東京大学大学院情報学環教授(2000-25)などを経て、2025年から現職。理化学研究所革新知能統合研究センターのチームリーダー(2017-現在)を兼務。国立民族学博物館特別客員教授(2024- )。
Q1. 先生の研究分野は何ですか。その研究を始めたきっかけは何ですか

「科学技術社会論」という分野で、科学技術と社会の関係を研究しています。最近はAIやロボットの倫理的な問題や文化による接し方の違いなどがおもなテーマ。同じ科学技術でも社会によって受取り方が違うので、いろいろな国や文化ごとに比較しているとおもしろいです。大学院ではサルの生態学を研究していたのですが、サルに対する見方が日本の研究者とアメリカの研究者でぜんぜん違うので、サルそのものではなく、サルの研究者の研究を始めるようになりました。それがきっかけで、広く科学技術全般と社会の関係に対象を広げてきて、今に至っています。
Q2. 先生が担当されている授業の中で、学科を決める1年生やゼミを決める2年生におススメの授業は何ですか

いずれも2年生対象の授業ですが、「サステナビリティ論」(前期)と「共創デザイン論」(後期)は社会デザインとは何かを知るきっかけになる授業にするつもりです。外部からのゲスト講師もお呼びします。「社会情報学概論」(前期)はオンデマンドなので自由度が少ないのですが、座学講義として入門的な内容を準備しています。
Q3. 先生のゼミはどのような活動をしていますか。
ゼミは2026年度から担当の予定です。テーマなどは未定ですが、社会におけるいろいろな問題について、理論と実践の両面から考え活動する場にしたいと思っています。ゼミはみなさんが作っていくものなので、もちろん指導やガイドはしますが、私はあくまでもサポート役。
Q4. 先生のゼミでは、どのような卒業論文のテーマがありますか
上で書いたようにゼミの担当は2026年度からなので、具体的なテーマはまだ未定です。基本的には学生のみなさんの興味関心を優先して、自分がやりたいこと、おもしろいと思っていることが卒論になるといいなあと思っています。
Q5. 先生の大学時代の楽しかった思い出は何ですか

大学時代はオーケストラに所属していて、どっぷり浸っていました。夏休みには国内のいろいろな地域に演奏旅行に行くのですが、そのついでに同期の仲間たちと観光旅行に行ったりして、楽しかったです。それで、というわけでもありませんが、大学には1年留年して5年間いました。大学院ではチンパンジーの生態研究のため、西アフリカのギニアという国のジャングルに何か月もの長期フィールドワークに行っていました。マラリアに罹ったりして死にかけて大変でした 笑。
Q6. 受験生に人間社会学部に入学したら、どのような学生になってほしいですか
これからの長い人生を、健康で楽しく有意義に過ごす、そのための準備期間が学生時代です。先は長い。まずは健康第一。そして、問題に直面したら自分なりの対処や解決を見つけられるよう、自力で考える習慣と知識を身につけてほしいと思います。